最低賃金の対応をする際にはこの3点を確認!
出始めた都道府県の答申
2026年7月28日に中央最低賃金審議会が示した答申を受けて、各都道府県の地方最低賃金審議会の答申が出始めました。
中央最低賃金審議会が示したランクに沿った金額で本コラム投稿時では概ね進んでいます。
・Aランク +54円
・Bランク +56円
・Cランク +56円
宮城県では+60円とランクより高い金額の答申があり、対象の地域の金額がどのようになるか注視しておく必要があるでしょう。
なお、昨年度のコラムにも記載していますが、答申=確定ではないことに留意しておきましょう。
確認ポイント① 給与が最低賃金を下回っていないかを確認
こちらも昨年度のコラムに記載していますが、あらためてポイントをおさえておきましょう。
最低賃金に含める賃金と含めない賃金を把握する。
一般的な賃金体系であれば、基本給と各種手当を足した賃金額が最低賃金の基礎額となるイメージでよいでしょう。
ただし、次の(1)から(6)に該当するものは、最低賃金の基礎額に含めることができません。
(1)臨時に支払われる賃金(例:慶弔金など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:賞与、一時金など)
(3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(例:時間外割増賃金など)
(4)所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(例:休日割増賃金など)
(5)午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(例:深夜割増賃金など)
(6)精皆勤手当、通勤手当、家族手当
なお、(6)は名称ではなく実態(性質)によって判断します。
月給、日給、歩合給それぞれの最低賃金の計算方法を把握する。
最低賃金は時間当たりで求められることから、時間単価に換算する必要があります。
1:月給の場合
(1)毎月の所定労働時間が固定の場合
基礎額÷1箇月の所定労働時間
(2)変形労働時間制を導入している場合
基礎額÷1箇月の平均所定労働時間※
※1箇月の平均所定労働時間は、1年間の労働時間数÷12箇月で算出します。
2:日給の場合
基礎額÷1日の所定労働時間
3:歩合給の場合
(1)完全歩合給の場合
基礎額÷月間総労働時間
(2)固定給と歩合給の併用の場合
A:固定給部分=固定給÷1箇月の平均所定労働時間
B:歩合給部分=歩合給÷月間総労働時間
➡A+B≧最低賃金になればOK
確認ポイント② 正規と非正規での時間単価の差を確認
最低賃金は時間単価なので、時給制の従業員へのアンテナは感度が高いと思います。
そして時給制の対象としているのは、多くの場合で非正規雇用(パート、アルバイトなど)ではないでしょうか。
反対に月給制の従業員には、「パートやアルバイトより高いだろう」という思い込みが生じていることもあります。
ここ数年の急激な最低賃金の上昇で、いつの間にか正規と非正規の賃金差が縮まっていることが見受けられます。
この賃金差の縮まりや逆転が正規従業員の不満につながり、離職の一因となってしまうこともしばしばです。
最低賃金という時間単価に着目する機会に、全体の賃金配分の適正化や賃金制度そのものを考えることも重要です。
確認ポイント③ 同一労働同一賃金ガイドラインを確認
2026年10月、最低賃金の変更だけでなく、同一労働同一賃金のガイドラインも変更されます。
これを機会に賃金制度に手を加える企業も多いことと思われます。
前述したように全体の賃金配分の適正化や賃金制度そのものを考えるためには、同一労働同一賃金を無視するわけにはいきません。
ガイドラインの変更については既に多くの情報が出ていますので、しっかりと確認しておきましょう。
おわりに
最低賃金は強行法規ですので必ず要件を満たしてなければなりません。
そのときに時間給だけに着目するのではなく、自社の原資と適正な賃金配分まで考える良い機会です。
そしてその原資を確保するためには、商品やサービスの価格改定や経費削減のことも視野に入ることでしょう。
最低賃金という枝葉にだけ着目するのではなく、経営という幹の視点で俯瞰して検討してみてはいかがでしょうか。

