従業員ごとに必要な書式

はじめに

新年度が始まり、新しく人を雇用したり、会社を立ち上げることが多い時期になりました。

従業員を使用する場合には、労働基準法によって作成・保存が義務付けられる帳簿があります。

基本的なことではありますが、拝見すると記入事項が不足していたり、そもそも作っていないということも稀にあります。

今回は、新年度の最初ということで基本中の基本をおさえていきたいと思います。

帳簿は「法定四帳簿」と言われている

労働基準法では、使用者に対して、労働者ごとに次の帳簿を作成・保存するよう求めています。

きちんと作成しているか、記入事項の不足がないか、新年度のこの時期に確認しておきましょう。

『労働者名簿』

記入事項保存期間の起算日保存期間
氏名
生年月日
履歴
性別
住所
従事する業務の種類
雇入年月日
退職、解雇、死亡の年月日およびその理由
労働者の死亡・退職・解雇の日から







5年(当分の間は経過措置として3年間)







『賃金台帳』

記入事項保存期間の起算日保存期間
氏名
性別
賃金の計算期間
労働日数
労働時間数
時間外労働、休日労働、深夜労働の時間数
基本給や手当の種類と、それぞれの額
賃金の控除項目と、それぞれの額
労働者の最後の賃金について記入した日から







5年(当分の間は経過措置として3年間)







『出勤簿』

記入事項保存期間の起算日保存期間
氏名
出勤日
出勤日ごとの始業・終業時刻、休憩時間等
労働者の最後の出勤日から

5年(当分の間は経過措置として3年間)

なお、残業や休日出勤の申請書や業務命令として指示したことが明らかになる書式等も添付書類として保存しておきましょう。

『年次有給休暇管理簿』

記入事項保存期間の起算日保存期間
氏名
基準日(年次有給休暇の付与日)
付与日数
時季(取得の日付)
有給休暇を与えた期間中及び当該期間の満了後から



5年(当分の間は経過措置として3年間)



保存方法

法定四帳簿は、次の要件を満たしていればパソコン等のデータ保存も可能です。

・法令で定められた要件(記入事項)を満たし、かつそれを画面上に表示し、印字することができること。
・労働基準監督官の臨検時等、直ちに必要事項が明らかにされ、提出し得るシステムとなっていること。
・誤って消去されないこと。
・長期にわたって保存できること。

法定四帳簿だけでは不十分?

インターネットなどの検索で「労働基準法 帳簿」などと検索すると上述の帳簿が出てきます。

しかし、同じく重要な書式として挙げられるのが『労働条件通知書(雇用契約書)』です。

厳密に言えば帳簿にはあたりませんが、これらの帳簿を作成する大元になります。

これもしっかりと記入事項・保存期間・起算日をおさえておきましょう。

記入事項保存期間の起算日保存期間
労働契約の期間
有期労働規約を更新する場合の基準
(期間又は回数に上限がある場合は、その上限を含む。)
就業の場所及び従事する業務
(変更の範囲を含む。)
始業終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
 休憩時間、休日、休暇等
・賃金の決定、計算、支払の方法、締切と支払の時期、昇給
(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く。)
退職に関する事項
(解雇の事由を含む)
交付日から











5年(当分の間は経過措置として3年間)











おわりに

システムなどを導入して大丈夫など思っていても、出力すると入力漏れで反映されないこともあります。

システムが「ある」から大丈夫ではなく、システムを「正しく使えているか」を確認することが重要です。

WordやExcel、手書きの場合には確認作業の重要性は言うまでもありません。

いずれの方法であっても定期的に確認したり、専門家に助言をもらうことをお勧めします。