テレワークの導入は慎重に
はじめに
最近では転職サイトなどで「完全テレワーク可能!」といった表現を目にすることが増えました。
動向として求職者の目線ではテレワークの可否が会社を選ぶ重要な要素の一つであることを伺うことができます。
そして昨今の人材不足の傾向もあいまって、テレワークの導入を検討している企業がある一方、テレワークを廃止する企業も散見されます。
今回はこれがどういうことなのか、また導入する場合のルールについて述べたいと思います。
導入前にできることを検証する
冒頭で述べたように、採用の入り口としてはテレワークが求職者を惹き付けることはあるでしょう。
しかし求人を出すということのほどんどの理由は、退職等による人材不足が原因ではないでしょうか。
そして退職者が会社を去る理由が「テレワークができなかったから」という状況がどれほどあるでしょうか。
テレワークを導入する前に退職理由を分析し、講じることができる措置もあると思います。
テレワークの難しさ
テレワークの廃止や縮小を実施している企業で見られる代表的な課題には次のようなものがあります。
① 若手の育成(OJT)の難しさ
② 労働時間や健康などの労務管理の難しさ
③ 評価の難しさ
④ セキュリティとコスト
⑤ テレワーク可能な部署と不可能な部署の公平感
テレワークを導入しようとする場合には、このような廃止や縮小をした事案を自社ではクリアできるのかまで検証することが望ましいです。
導入する場合のルールの注意点
コロナ禍ごろから普及した働き方だけあって、トラブル事例も徐々に蓄積されています。
ルール(就業規則)の作成にあたっておさえておくとよいポイントには次のようなものが挙げられます。
対象者の選定方法
① 会社が考える対象者の基準を明示する。
② 会社が承認した者に限定する。
③ 会社がテレワークを可能とする業務を指定する。
テレワークは業務遂行・労働時間・健康などが自己管理できる人でなければトラブルの元になります。
勤務場所の指定
テレワークは基本的にノートパソコンで仕事をすることになります。
ときには重要な機密情報などを扱うことがあるにもかかわらず、その取扱いが杜撰な場合もあります。
(例:コワーキングスペース、カフェ、電車の中など)
できる限り自宅や個室のレンタルオフィスなどに限定しておくことが望ましいでしょう。
服務規定の見直し
テレワークにおける情報の取扱いに関する服務規定が十分か見直しておくことが必要です。
少し厳しい視点かもしれませんが、従業員の家族であっても情報漏洩のリスクがないとは限りません。
適正な運用とリスクを抑えるという観点では重要な項目になります。
費用の設計
主に通勤手当とテレワークにかかる諸費用は決めておく必要があります。
例えば通勤手当を定期代1か月分支給するとしている場合、自宅でテレワークに従事する日の取扱いなどが考えられます。
諸費用も通信代や電気代などあらゆるものを想定しておく必要があります。
金銭はトラブルになりやすい部分ですので慎重に設計しましょう。
テレワークの適用を解除することを明示
自己管理ができずルールが守れない者にテレワークを続けさせることは、トラブルリスクの増加に繋がります。
このような場合にはテレワークの対象者から解除される可能性があることを規定しておきましょう。
そして解除に至った理由や背景を記録に残し、恣意的な運用にならないことが重要です。
おわりに
テレワークは機能すれば働きやすさや意欲の向上につながる制度です。
しかし上述した難しさの部分がクリアできないとトラブルにもつながりかねません。
当事務所ではテレワーク制度の設計・変更だけでなく、導入の検証もお手伝いしていますのでお気軽にお問い合わせください。

